【いのちのはじまり】監督:エステラ・ヘネルの映画の中で、ジャンマルクアイサレット医学博士など様々な研究者が育児における大切なヒントを教えてくれました。その中で私の心に残ったものをいくつか紹介いたします。
紹介1:テレビ学習は、ほとんど覚えられない?
社会経験を通して情報を伝えることが赤ちゃんの脳の発達に有効なのです。直接人を通して学習すると覚えることでも、同じ内容をテレビで学習するとほとんど覚えられない。
どういう意味?
どういう意味かというと、例えば「新しいおもちゃの遊び方」を全く同じ説明内容で目の前で生の人が説明する方法と、画面を通して見るのとでは、子供の理解度が全く違うというのです。テレビで見た場合、ほとんど覚えられていないという結果が出たのです。とても興味深い内容です!
テレビやパソコンの学習効果
よくテレビで学習番組が沢山ありますが、あまり効果的には学習に結びついていないかもしれません。やはり、なんでも直に見たり、体験したりする方がダイレクトに記憶に作用するんですね。テレビやパソコンが全て悪いというわけではありませんが、それだけで学習させた気になってはいけないのですね。
紹介2:幼児の不思議な行動のワケ
親からすると「この子なんでこんなことばかりするのかしら!」と半分怒ってしまいそうな子供の行動が、実は子供にとっては意味のあることだったという一つの事例が紹介されています。これがわかっているだけで、子供を怒る回数が間違いなく減ると思います。
事例:スプーンをわざと落とす
赤ちゃんは自分の予測が正しいかを試します。「このスプーンを落としたらどんな音がするのだろう」そのため、大人を使った実験もします。スプーンを落として母親が怒ると赤ちゃんは満足します。母親が予想通りの表情をしたからです。
科学者のように何度も実験を行い繰り返し同じ結果が出ることに喜ぶのです。幼児期はこのように同じことを繰り返します。他にもコップに積み木を入れたり単純なパズルをしたり、新しい遊びを見つけるとすぐに夢中になり何度も繰り返します。それは「上達の意欲」があるからです。
このことがわからなかったら、「嫌がらせをしているの?」「私の困っている顔を見て喜んでいるのね」って思いませんか。
こういった知識を多少なりとも持っていることで、親の心に余裕が生まれます。
親の過信
全ての親は、赤ちゃんや子供を経験しています。だから、赤ちゃんや子供のことは良く理解していると無意識に思ってしまう傾向にあると思います。しかし、思いの外わかっていないこともたくさんあると改めて感じました。